Liner notes

2014.11.16 Release

4th MiniAlbum

「ROUTE32 side-B」

 

ROUTE32 concept:

32歳になった現在の橋本康史がもう一度歌う。

 

地元名古屋での活動後期にリリースした「ルート26」のセルフカバーを軸に

上京して出会った橋本バンドのメンバーと共に、新曲を交えてお届けする

ROUTE32シリーズの第二弾です。

 

 

まっさらな気持ちで、またお手持ちのアルバムと聴き比べて

新旧マニアの皆さん、それぞれの楽しみ方が出来るミニアルバムが完成しました。

 
ルテンの空

今回のアルバムのメイン曲です。

 

 

6月末。

 

闘病生活に入り活動休止。

楽器は一切弾けませんでした。

目眩も酷く、音楽を聴くことも、病院へ通う電車に乗ることも、本当に大変でした。

 

10月に入り、ようやく音を聴いていても具合が悪くならなくなりました。

それまでの間に溜まっていたフラストレーションが後押ししてくれたのか、デモを幾つか作れるまでになりました。

家族の支えや、ファンの皆さんの応援があって。

今回、リリースとなります。

本当にありがとう。

 

そんな経緯で新曲、ルテンの空、クロワッサンズ・ムーン、が生まれました。

 

 

この2曲は、今までにないアプローチが出来ました。

 

どこか手グセで出来た曲とかではなく、これまでの自分に対して挑戦的に攻めてみました。

 

例えば、ルテン。

メロディーが普段よりかなり低め。

また、クロワッサンはファルセットのみ。

キーによって、世界観はガラリとかわります。

自分の可能性を広げた2曲となりました。

 

更に、AORやブラックの粉が多目にまぶされています。

軽くラメってます。

あとは、リズムトラックを今までより細かく刻んで作りました。

なので、リズムトラックだけで3〜4日かかりました。

丁寧に、丁寧に作りました。

やはりハットの繊細な刻みは必須ですね。

 

 

流転(ルテン)の空。

宮本輝さんの、流転の海シリーズは有名で、そこから来てます。

なので、アウトロのコーラスで

 

「Ruten's Sea」

 

と、和製英語を作ってボヤいてます。

 

この曲は本当にナチュラルで、スーッと入って来て、邪魔にならない曲。

そっと寄り添ってくれる温かい曲。

構えずに聴けて、無理強いしない曲。

また、時代を選ばない曲。

ビル・エバンスのソロの切なさ。

スティーブン・ビショップの様なクリアさ。

 

 

そんな勝手なイメージです。

クロワッサンズ・ムーン
 

ブラックな曲が出来ました。

全メロ、ファルセット。

橋本ミュージックは、"橋本にしか唄えない唄"を目指してます。

デラ難しいです。

なので、ライブで唄えるか、僕も不安ですな。。

 

普通であれば、みんなが唄える唄を書くのが、いわゆる"スタンダード"だと思います。

そこに着地しないならば、職人芸を目指すしかない!

そんな戯言を吐き出した作品です。

 

自分自身を高めるためにも、新しい風を吹かせるためにも、どうしてもやってみたかったプレイ。

無謀にも挑戦してみました。

 

「いつだって、誰だって、チャレンジャー」

 

このソウルが、歴史を繋げていくんじゃないか、と思い込んでます。

 

僕なりの、ザ・ソウルです。

 
僕らの部屋

この曲は1st.アルバム、「白紙ノート」に収録されていました。

失恋バラードど真ん中の曲です。

 

哀しみや傷みの渦中にあっても、僕らの部屋には"あの頃"が、ほのかに香ります。

そして、少しだけ重たく鈍い時間が流れています。

それが、僕が感じるこの曲へのイメージ。

 

 

ちなみに、7〜8年前に書いた曲ですが、今回リアレンジということで色々と考えました。

やはり、この曲にはバンドの音ではなく、アコースティックがベスト。

ライブでもKey.ミッキーさんと二人のテイクがベスト。

独特の寂しさ、に音数は不要な気がしました。

 

何事にも、"引き算"は大事だと思うわけです。

そんな引き算には"品"があります。

僕の中では「バラード=品」みたいな、そんな感じです。

 

 

余談ですが。

 

歌詞の一節に「キミを探してた 西の窓から 黄金の空の下を」とあります。

 

名古屋で一人暮らしをしていた時に住んでいた場所が烏森(かすもり)という町で、近鉄線沿線にありまして。

名古屋駅まで、自転車で15分くらいのところでした。

その隣に黄金(こがね)という駅がありました。

黄金陸橋は地元では有名でして。

JRや名鉄、近鉄が交わるポイントに大きな陸橋がかかっています。

そこで良くボーッとしてました。

 

更に余談ですが。

 

その陸橋のわきに、大きな桜の木が植わってまして。

そこから、ルート26が生まれました。

陸橋の上から眺める景色から、真夏のHorizen、そして、僕らの部屋が生まれました。

 

僕にとって、大切な思い出の場所です。

 

 

あ、あと。

 

黄金陸橋の近くで、深夜に路上で寝てた酔っ払いを自転車で引きました。笑

あれは、見事でした。

お巡りさんを呼んで、おじさんを連れていってもらった。

あの日、一人のサラリーマンの命を救いました。

 
MELODY

一丁前にも、シティーポップスを掲げていたbrother chip時代。

合間にソロ活動をしてまして、とにかく沢山曲を書きまくっていました。

この頃は無意識に曲が出来てました。

誰っぽく、とか意識してなくて、湯水のごとく、わいて出た音を素直に紐付けて書いていました。

ただ、意識していたとすれば、「A面を書かなきゃいけない」といった事くらい。

シティーポップスにAもBもないな、と今は思います。

 

リアレンジという事で。

キーボードが入っていなかったので、今回は弾いてみました。

数年前はピアノ弾けなかったので、エレピのかわりにエレキギターの空間系の音色で対応してました。

当時はPCではなく、ZOOMの8chのMTR(マルチトラックレコーダー)で録音していました。

その中にあったNYフュージョンとかいう音色を利用し、アルペジオでエレキギターを弾きまして。

さらにリバーヴを山のように加えまくり、エレピっぽくしてました。

あるもので、いかに調理するか。

料理と一緒ですね。

 

ちなみに、現在の僕の音源のリズムトラックは、このMTRに内蔵されているリズムトラックをPCへダイレクトに取り込んで利用してます。

一音一音をPCで編集し新しい音に加工してます。

例えば、スネア、バスドラ、ハット、シンバルなどを一音だけPCへ取り込みます。

その波形の長さと音を加工して、パズルの様にひたすら並べていく。

機械的な100%タイトなリズムにはしたくなくて。

 

 

正直、ちょー面倒いです。

というか、僕の性格が面倒いですね。笑

 

最近の巷の音楽と比べると、音質は必ずしも良くはないけど。

ただ、味はあります。

新しい音、独自性を大事にしてます。

 

 

MELODYは、その当時のお客さんに人気があった曲です。

もう何年も唄っていないので新鮮でした。

古くから応援して下さるファンの皆さんにも、新しいファンの方にも楽しんで頂けるかと思います。

 
ポケット

この曲は、2013年に差し掛かったくらいに書きました。

ライブでも数回披露したくらいで、ほとんどの方には新曲みたいなものですが、ようやく音源化です。

 

ベースをシンセベースにして、どこか懐かしい感じにしまして。

こちらのシンセベースですが。

「エレピの低音域のオクターブを一音ずつ録音して並べる」という独自の"ややこしい製法"を取り入れたオリジナルブレンドです。

"90'sのJOY SOUNDくらいのダサい感じ"がクリアな時代だからこそ、逆に、面白いんじゃないかなぁと思ってます。

 

ポケットは、ピアノで作ったバラードです。

でも、まさかこんなアレンジになるとは考えてもなかったけど、中々気に入っています。

サビのメロディーがストレートに心地良く残るので、バラードし過ぎない様にPOPなアレンジにしました。

ミッキーさんのエレピも古さを感じるアプローチでして、流石、我が相棒。

松任谷正隆さんっぽい感じがまた良い。

本当、それっぽい感じに攻めてきたミッキー。

まんま正隆さんではなく、それっぽいブート品みたいな感じが、また良い。

JOY SOUNDっぽい、のと同様です。

マニアの背中に軽く手の届く感じ。

 

聴いたあとの、にわかに残る郷愁感。

 

これぞ、橋本ミュージックではないかと、勝手に考察してます。

 

 

本当、勝手にね。

 
サヨナラスケッチ

1st.ミニアルバムに収録された曲。

どういう経緯で書いたのか…全くおぼえていません。

でも有難い事に、気に入ってくださる方も今なお多く、この曲を通して沢山の出会いに恵まれました。

 

今回はボーナストラックとして、弾き語りで収録。

 

自分で書いておいて何ですが。

相変わらず僕の曲は難しくて、唄うのも一苦労です。

誰もが唄えるキャッチャーな曲が"音楽"だと思います。

ですが、僕にしか唄えないクセの強い曲も"音楽"だと思います。

突然入ってくるファルセットが、また難しいんだ。

 

この当時(26歳の頃)、初めてシンセを買いまして。

試行錯誤したのが1st.ミニアルバムなんだけど。

僕の中に響く新しい音の数々が、実に胸踊る感じで、全てが新鮮でした。

 

サヨナラスケッチのクライマックスのグロッケンは、様々なエフェクトをかけまくりまして。

何処に向かって行きたかったかと言いますと、トッド・ラングレンのとある曲なんですが。

クライマックスのグロッケン部分のみ、とある曲を意識して拵えました。

 

でも、3割くらいしか、それっぽく出来なかった。

 

もちろん、それで良いんです。

だって僕はトッドじゃないから。

橋本ミュージックだから。

っぽいねっ!ってのを楽しむのが何より大事。

 

 

音楽はいつだって、そうあって欲しいです。

お茶の間の娯楽で結構、道楽で結構。

何よりも、楽しむべきものであって欲しい。

 

そうあって欲しいです。

橋本康史 Official site